税理士事務所のホームページはステークホルダーを意識する

事務所のホームページ運用を考える際、「ホームページは誰に見られるか」ということを考えたことはありますでしょうか？深く考えている先生もいれば、あまり考えたことがないという先生もいると思います。

ぱっと思いつくところで考えると、「税理士事務所を探している人」「既存の顧問先様」あたりが思い浮かびそうです。ホームページの目的ということを考えると、どうしても「事務所案内・パンフレットとしての機能」「新規開拓用の営業としての機能」に視点が行ってしまうことがほとんどです。そのため、少し視野が狭くなってしまうのだと思います。

そこで、税理士事務所のステークホルダーという視点に立ってみます。

１、 税理士事務所を探している人（法人）
２、 税理士事務所を探している人（個人）
３、 既存の顧問先様
４、 被紹介者
５、 金融機関担当者
６、 パートナー士業
７、 求職者
８、 従業員の家族
９、 協力会社
１０、外部営業会社

他にもあるかもしれませんが、だいたいこのような人たちが税理士事務所のステークホルダーであると言えるのではないかと思います。例えば、事務所のメインサイトを作るのであれば、これらのステークホルダーに見られた時にどのような第一印象を持っていただくかということを意識する必要があります。

営業目的一本であれば、価格やサービス説明を重視した表現方法になるのですが、そこにばかり目が行ってしまうと、金融機関担当者や求職者、求職者のご家族などに閲覧をされたときに、その目的が達成し難くなります。

特化型ホームページを作ることの意味はここにあります。メインサイト上であれもこれも全てのことを表現しようとすると、どうしても最後には「何を伝えたいのかよく分からないサイト」になってしまいます。

営業目的なのか、情報発信をしたいのか、人を採用したいのか、事務所の信頼性を高めたいのか…。これらの要素をひとつのホームページでカバーしようとするのはかなり無理があります。そのため、メインサイトでは事務所の信頼性を伝え、営業目的のサイトは別に作り、情報発信はSNSを使い、人材採用も別サイトを構築する。そのような運用方法が今では当たり前のようになってきているのです。例えば、法人税務顧問サービスのホームページと相続特化のホームページを分けて運用するというケースも多く見受けられる方法です。

無論、複数のホームページを運用することは管理コストがかかることになりますので、何でもかんでも増やせばよいというものでもありません。とはいえ、税理士事務所の事業規模に応じたサイト設計は考えて行くことが大事です。