税理士事務所のホームページに複数の機能があることの是非

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税理士事務所で複数サイトは必要なのでしょうか?ホームページ制作を業とする方は、当然のことのように複数サイトが素晴らしいということを言います。もちろん複数サイトの運用にはメリットがありますので、そのこと自体は間違いではありませんし、当社でもお勧めすることもあります。 しかし、必ずしも全てのケースで複数サイトが必要かというと、そうでもありません。税理士事務所様が置かれた環境や事務所の営業方針によっては複数サイトを運用する必要はなく、事務所のオフィシャルサイトが一つあれば十分であるというケースもあるのです。 複数サイトのメリットをうたうホームページは世の中にたくさんありますので、今回は複数サイトを運用する必要が無い税理士事務所の状態についてお話してみたいと思います。

1、営業エリア内で競合となる事務所の数が少ない場合

これは税理士事務所自体の数もそうですし、ホームページの数として見ても良いでしょう。競合が少ない状況であるのなら、ホームページを複数保有する必要は無いでしょう。例えば、法人税務と個人の相続とそれぞれ業務を扱っていたり、求人の案内を行ったりなどすることがあっても、ひとつのホームページ内に別のページを設けてまかなうことで目的を達成します。

2、特別な差別化要因が無い場合

一般的に言う税理士業務を主軸として営業活動をしていらっしゃる場合は、ホームページを複数持つ必要は無さそうです。例えば、法人税務以外に相続税申告の業務を行っていたとしても、相続については既存のお客様で発生したものについてのみ扱っているといったケースです。そのような場合は、わざわざ別に相続専門サイトを立ち上げる必要性はありません。メインサイト上で相続のページを作ってあげればいいだけです。

3、営業・マーケティング活動を行わない場合

営業やマーケティング活動を行わない場合も、複数のホームページ運用は不要です。営業やマーケティングとは、ダイレクトメール、WEB広告(リスティング、FacebookやYouTubeなど)、代理店営業などです。特定の特化型営業活動、例えば、飲食特化ですとか、記帳代行、給与計算代行、新設法人、相続税申告などで特化した形での営業活動に力を入れるのであれば専用サイトが必要になります。逆に、そのような活動を行う予定が無いのであればわざわざ特化型の別サイトを用意する必要は無いと言えます。
【著者プロフィール】太田亮児(おおたりょうじ)|合資会社オオタキカク 代表
税理士・会計事務所の営業、マーケティング支援を行う。起業前は東京都内にある税理士法人に勤務してマーケティング業務を専任で手掛けた。2005年にオオタキカクを設立して独立。税理士事務所の個性を活かし各事務所の強みを磨き上げオーダーメイド式でマーケティングの仕組みを作り上げるサポートを行う。2010年に「税理士・会計事務所の儲かるしかけ」を同文館出版より出版し、税理士業界に特化したサービスを展開している。税理士向けの専門紙である税理士新聞(NP通信社発行)への連載記事を手掛けていたこともある。