前回、税理士事務所のホームページはステークホルダーを意識するというお話をいたしました。
今回はステークホルダーを意識して機能別にホームページというものを考えてみました。
機能として分類すると3つの分類ができると思います。
税理士事務所のホームページを機能別に考える
1、事務所の存在・信頼性を伝えるためのもの
これは税理士事務所としての基本的な機能で、実際の事務所(リアルの店舗)と同じような機能です。ここではサービスや料金といった営業的な側面よりも、実態があるのか、どういうオフィスなのか、どのようなスタッフがいるのかといったことを伝える必要があります。ここで対象となるステークホルダーは、既存の顧問先様、金融機関、従業員やそのご家族、パートナー士業、協力会社などです。
2、求人を目的としたもの
ここ数年は求人用にホームページを作るといった税理士事務所も増えてきました。前述した事務所のオフィシャルサイトの中に1ページ求人用のページを設けるというものではなく、求人用のホームページを別に作るという運用方法です。これは年間で定期採用を行っているような求人に力を入れる税理士事務所や税理士法人さんなどで取り組むことが多いです。ここで対象となるステークホルダーは、求職者やそのご家族、求人サービスを手掛けている事業者などになります。
3、営業を目的としたもの
税理士事務所がホームページを持つことの目的の多くは営業にあると言ってよいでしょう。新規の案件を創出したい、お問合せを増やしたいといった目的です。サービス案内や料金案内、事務所の強みを表現したり、他の事務所との差別化を意識したりなどします。税務顧問であれば税務顧問サービスについて、相続であれば相続税申告についての案内をしたり、サービスメニュー別にホームページを分けて構築したりなどするケースもあります。ここで対象となるステークホルダーは、税理士事務所を探している法人や個人がメインとなります。
むやみやたらに複数のホームページを運用する必要性はありませんが、状況によっては別にホームページを構築したほうが良いというケースもあります。これは事務所の規模であったり、ホームページの運用方法によって変わるところです。次回以降でそこら辺について触れて行きたいと思います。
【著者プロフィール】太田亮児(おおたりょうじ)|合資会社オオタキカク 代表
税理士・会計事務所の営業、マーケティング支援を行う。起業前は東京都内にある税理士法人に勤務してマーケティング業務を専任で手掛けた。2005年にオオタキカクを設立して独立。税理士事務所の個性を活かし各事務所の強みを磨き上げオーダーメイド式でマーケティングの仕組みを作り上げるサポートを行う。2010年に「税理士・会計事務所の儲かるしかけ」を同文館出版より出版し、税理士業界に特化したサービスを展開している。税理士向けの専門紙である税理士新聞(NP通信社発行)への連載記事を手掛けていたこともある。