AIが税理士・会計事務所の仕事の内容を変えてしまうのか?

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税務顧問報酬が年々安くなってきています。税務顧問の内容は事務所によって色々ありますが、1万円を切った後、7,800円とか4,980円とか、そういう価格帯での営業活動がいずれ登場する事でしょう。どこかの事務所がその価格帯でのビジネスモデルを構築したら、そのモデルは一気に業界内に浸透し、新たな低価格での料金設定が普及します。

事務所の存続が危ない!

AIというものが税理士事務所のお仕事にかわるものとして普及してくる段階では、税理士事務所が提供するサービスも変化する必要があるでしょう。ここ数年、税理士先生のところへ相談業務にお伺いすると、これからの税理士業務のあり方や、その内容について様々な事をお考えであることが分かります。即ち、今現在の仕事の進め方では、税理士先生自身は生き残れたとしても、事務所に勤務する職員やパートさんは生き残れないという危機感です。つまり、今の仕事の延長では事務所が存続しないと感じていらっしゃるのです。これは、事務所経営のご経験が長い先生ほど強い危機感を抱いています。

変化が求められています!

AIにでも出来るようになる仕事と、そうでない仕事とを区分けして、AIには出来ない仕事を人間がやるように事務所のサービスの形を変えて行こうと試行錯誤をしていらっしゃいます。コンサルティング型の仕事にサービスの形を変えて行くという方針です。

このような時代の変化を捉える嗅覚は、ご年配の先生ほど確かなケースが多いと私は感じます。それこそ百戦錬磨の経営者の勘がそうさせるのだと思います。つまり、今のままではいけないので、変化を求められているという事です。そして、この変化に適応できないと、「負け組み」になってしまうということであります。将来的にAIにでも出来るような仕事に固執してしまうことが、「負け組み」への道を進む事になってしまうと言えるかもしれません。それが具体的にいつ来るのかまでは分かりませんが、そう遠くない将来。おそらく令和の間には間違いなくなるのではないかと考えます。

「負け組」にならないために

私が考える「負け組み」というのは、低価格競争の波に飲み込まれてしまうということです。人間は同じ内容のサービスや商品であれば、1円でも安い方を選びます。これは仕方が無い事です。同じメーカーで同じ容量の缶コーヒーなら、120円よりも100円の方が良いに決まっています。

AIが出来るようになるということは、品質が完全に一定のものになるということです。品質が一定ならば、安いほうが良いに決まっていますから、一番安い事務所に業務は集中するでしょう。低料金で一定品質のサービスを提供する事が出来る大手事務所には、中小の事務所では太刀打ちできません。

大切なのは、どう魅せるかです

このような流れの中で出てくる考え方が「コンサルティング型の仕事」です。まだしばらくは、AIが人間と同じように物事を判断するレベルで仕事の現場に出てくることは無いと言われています。従って、そのようなジャンルの仕事にシフトする事ができれば、低価格競争には巻き込まれずに済みます。

コンサルティングというと、相続対策や事業承継対策、財務分析コンサルティング、資金繰りコンサルティングなどでしょうか。あるいは、飲食業の財務会計・経営コンサルティングとか、製造業の原価管理コンサルティングなど業種や業務内容を絞り込んだ専門性の高いジャンルかもしれません。

ただ、私が個人的に感じるのは、税理士事務所の先生や職員の方が、お客様の会社を訪問したり、事務所内で相談を受けたりすること、そして、個別にお客様の状況に即したアドバイスを行い、お客様の利益について考え、提案する事ができれば、即ちそれこそがコンサルティングとなっているわけで、十分に価値があるものであると思うのです。
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