税理士・会計事務所の

魅力を引き出す

ホームページを作りたい

競合サイト分析の方法:上位表示の事務所サイトから学ぶべき3つのこと

「うちのホームページ、なんで問い合わせが来ないんだろう……」
先生の事務所ではそんなふうに感じたことはありませんか? 実は、答えのヒントはGoogle検索の上位に並んでいる競合サイトの中にあります。今日は、難しいことは抜きにして、上位表示されている事務所のサイトから「何を盗むか」を一緒に考えていきましょう。

そもそも、競合分析って何のためにやるの?

まず前提として知っておいてほしいのが、検索順位と問い合わせ数の関係です。Google検索の順位別クリック率(CTR)を見ると、1位は28.3%、2位は12.5%と、1位から2位への落差がとりわけ顕著で、6位以降は1%を切る順位が続きます。

つまり、1位と6位ではクリックされる確率が文字通り「桁違い」。ホームページを持っているだけでは不十分で、上位表示を狙わないと相談者様の目に触れることすらないんです。
だからといって、最初から自分の力だけで「正解のサイト」を作ろうとするのは相当ハードルが高い。そこで登場するのが競合分析です。すでに上位表示されている競合サイトは、自社が参考にするべき要素が豊富で、後発組であることのメリットと言えるでしょう。要は、先人の知恵をちゃんと参考にしよう、という話です。

まず「競合」を正しく見つけることから始めよう

競合分析の第一歩は、「競合サイトを正しく特定する」こと。これが意外と見落とされがちです。
やることはシンプルで、先生が狙いたいキーワードをGoogleで実際に検索してみるだけです。まずは自事務所のターゲットとなるユーザーが検索しそうなキーワードを実際に検索してみて、上位10位ほどに表示されるサイトを全て見れば、有力な競合サイトがわかってきます。

たとえば「渋谷 税理士 相続」と入れて出てきた上位10件のサイトが、先生の競合です。ポータルサイト(士業紹介サービス系のサイト)は個別の事務所サイトとは性質が異なるので、いったん脇に置いて、個々の事務所サイトに絞って分析するのがおすすめです。
特に「税理士」「確定申告」「法人税」といった一般的なキーワードでは、大手税理士法人や老舗事務所が上位を占めていることが多く、この課題に対処するには、特定の税務分野や業種に特化したキーワードを狙うなど、独自の差別化戦略が求められます。

開業したての先生や小規模な事務所が「税理士」という大きな一言で戦おうとするのは、正直かなり茨の道。むしろ「〇〇区 相続税 税理士」や「飲食業 顧問税理士 東京」のように、地域×専門×業種を組み合わせた絞り込んだキーワードで上位を狙いに行くほうが現実的です。

上位サイトを開いたら、ここを見てほしい

競合サイトを特定できたら、実際に開いて観察します。チェックすべきポイントは次の3つです。

・サイトのページ数とコンテンツの量
・1ページあたりの文字数と情報の深さ
・サービスページの構成(料金・専門分野・実績の見せ方)

競合サイト分析で最低限チェックしておきたいのは「ページ数」「文字数」「被リンク数」の3項目です。上位10以内は必ずチェックしましょう。
なかでも文字数は見逃しやすいポイントで、最近のSEOで評価されるのは「質の高い」「オリジナル」のコンテンツで、1ページあたり1,000〜1,500文字以上を目安にすると良く、できれば競合サイトよりも文字数の多いページを作成していくことが望ましいです。

もう一つ、意外と参考になるのが「料金ページ」の作り込み方です。上位サイトの多くは、顧問料・スポット相談料・相続業務の費用感を具体的に掲載しています。相談者様が問い合わせを検討するとき、「いくらかかるのか」はほぼ必ず気になること。料金をぼかしているサイトは離脱されやすく、逆に明示しているサイトは信頼感を持たれやすいんです。

無料ツールを使えば、もっと深くわかる

目視でのチェックに慣れてきたら、ツールを活用するとさらに解像度が上がります。私がまずおすすめしているのは Ubersuggest と SimilarWeb の2つです。
SimilarWebは競合サイトのURLを入力するだけで、訪問者数やユーザー属性、セッション数、ページビュー数などの詳細なデータを提供してくれます。無料版でも、競合のサイト規模や大まかな集客チャネルの構成を把握するのに非常に役立ちます。

Ubersuggestは基本的な機能が無料版で利用できるため、まずは無料版からスタートするのがおすすめです。キーワードリサーチや競合分析、サイト監査、バックリンク分析などひと通りの操作が可能で、機能性や操作性を確かめるのに十分です。

具体的な使い方としては、Ubersuggestの「トラフィック機能」で競合ドメインを入力して調査することで、競合サイトがどんなキーワードで多くの流入を獲得しているか、自社サイトが獲得できていないキーワードは何なのかがわかります。

これが分かると、「このキーワードで記事を書けばいいんだな」という具体的なアクションに落とし込みやすくなります。画面を見ながら操作するだけなので、ITが得意でない先生でもすぐに試せますよ。

分析結果を「マネする」のではなく「翻訳する」

ここが一番大切なポイントです。競合分析で得た情報を、そのままコピーしてはいけません。上位サイトの構成やキーワードは「参考資料」であって、「答え」ではないんです。

単なる業務内容を列記したホームページを作ってしまっても他の税理士と内容が被ってしまって、差別化はなかなかできません。良いホームページは、税理士先生のやさしそうな笑顔の写真や事務所風景などで信頼性を演出し、実際の税理士業務で注意しておいた方が良いポイントなどの具体性を提示し、料金プランの明示や税務サポートの流れなどの利便性を示すことが重要です。

実際にご相談いただいた事例では、競合サイトを丁寧に分析した後、「競合はどこも法人顧問の実績しか書いていないから、うちは飲食業の経営者向けに特化したページを作ろう」と判断した事務所が、絞り込んだキーワードで比較的早期に上位表示を獲得できていました。競合が手薄なスキマを見つけることが、後発組の最大の武器になります。

競合事務所が対応していない専門分野や最新の税務サービスに注目することで、SEOの効果をさらに高められる可能性があります。
上位サイトから「何が評価されているか」を学びつつ、先生の事務所ならではの強みを乗せていく。この組み合わせが、競合分析を「真に活かす」ということだと私は思っています。

まとめ:今週試せる3ステップ

記事の内容を行動に落とし込むなら、こんな流れで動いてみてください。

・狙いたいキーワードで実際にGoogle検索して、上位10件の事務所サイトをメモする
・各サイトを開き、ページ構成・文字量・料金ページの有無を目視でチェックする
・Ubersuggest の無料版で競合ドメインを入力し、獲得キーワードを確認する

SEO効果が出るまでには時間がかかることも事実ですが、一般的にSEO対策の効果が出るまでの期間は3ヶ月から6ヶ月程度かかると言われています。焦らず、でも着実に積み上げていくことが大切です。競合分析は一度やったら終わりではなく、定期的に繰り返すことで「今どのキーワードが熱いか」の感覚も磨かれていきます。難しそうに聞こえるかもしれませんが、やってみると意外と楽しいですよ。ぜひ今週末、30分だけ時間をとって試してみてください!

よくある質問(FAQ)

Q. 競合分析はどのくらいの頻度でやるべきですか?

最初の分析をしっかりやったうえで、その後は3ヶ月に一度程度の見直しが目安です。Googleのアルゴリズム更新や競合サイトの改善によって検索順位は変動するので、定期的に状況を確認することをおすすめしています。

Q. 無料ツールだけで競合分析は十分できますか?

開業したばかりの時期であれば、Ubersuggest の無料版と SimilarWeb の無料版の組み合わせで十分スタートできます。有料ツール(AhrefsやSemrush)は機能が充実していますが、月額費用もそれなりにかかるので、まず無料ツールで感覚をつかんでから検討するのが現実的です。

Q. 上位表示されているサイトと同じキーワードを狙っても意味がないですか?

同じキーワードでも、先生の事務所ならではの専門性や地域性を盛り込んだコンテンツがあれば十分に戦えます。ただ、競合が非常に強いキーワードはまず後回しにして、競合が手薄なスモールキーワード(たとえば「〇〇区 飲食業 税理士」など、細かく絞り込んだキーワード)から攻略していくのが、小規模事務所には王道の戦略です。
【著者プロフィール】太田亮児(おおたりょうじ)|合資会社オオタキカク 代表
税理士・会計事務所の営業、マーケティング支援を行う。起業前は東京都内にある税理士法人に勤務してマーケティング業務を専任で手掛けた。2005年にオオタキカクを設立して独立。税理士事務所の個性を活かし各事務所の強みを磨き上げオーダーメイド式でマーケティングの仕組みを作り上げるサポートを行う。2010年に「税理士・会計事務所の儲かるしかけ」を同文館出版より出版し、税理士業界に特化したサービスを展開している。税理士向けの専門紙である税理士新聞(NP通信社発行)への連載記事を手掛けていたこともある。