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被リンクを自然に増やすコンテンツの作り方——税理士事務所がすべき3つの戦略

ホームページを持っているのに問い合わせが増えない。そう感じている先生の事務所では、「被リンク」が不足しているケースが非常に多いです。

被リンクとは、他のウェブサイトから自分のサイトに向けて貼られたリンクのことです。検索エンジンであるGoogleは、このリンクを「信頼の証明」として評価します。被リンクが多いサイトは、それだけ多くのサイトから信頼され、価値ある情報を提供していると評価されるため、検索結果の上位に表示されやすくなります。

しかし、誤解していただきたくないのは、「増やせばよい」という話ではないということです。質の悪い被リンクは、逆に評価を下げるリスクがあります。数ではなく質。この原則を出発点に、税理士先生のサイトにどう自然な被リンクを集めるかを考えていきましょう。

なぜ税理士サイトに被リンクが集まりにくいのか

多くの士業のホームページは、事務所案内、サービス内容、料金表、アクセスマップで構成されています。これは必要な情報ですが、残念ながらそれだけでは他サイトに「紹介したい」と思わせる理由にはなりません。

被リンクは、突き詰めれば「このページは価値がある」という外部からの推薦票です。被リンクの数は、Web上の人気投票ともいえ、さまざまなサイトから被リンク(投票)を受けているサイトは、相対的に信頼性が高いことを示します。

税理士先生が提供する専門知識は、経営者や個人事業主にとって本来非常に価値があるはずです。問題は、その知識がホームページの中に眠ったままになっていることにあります。
私がよく見かけるのは、「相続税のご相談承ります」という一文だけが並ぶ事務所サイトです。相談者様の目線に立てば、具体的に何を相談できて、どんな流れで話が進むのかが見えない。他サイトの運営者が紹介したくなるような情報が、そこには存在していないのです。

被リンクされやすいコンテンツとはどんなものか

では、自然にリンクされるコンテンツとはどのようなものでしょうか。答えは比較的シンプルです。「他のサイトの著者が、自分のコンテンツを書く際に引用したくなる情報」です。
具体的には、以下の3種類が効果的です。

・独自の調査データ・統計:先生の事務所が実際の業務を通じて把握している傾向や数値をまとめた記事。たとえば「顧問先100社のデータから見た中小企業の経費計上ミスTOP5」のようなコンテンツは、他のビジネス系ブログやメディアが引用しやすい一次情報になります。一次情報とは、競合他社にはない独自の調査データや分析結果など、自社が直接収集した情報を指します。このような情報は、外部サイトやメディアにとって参考価値が高く、引用されることが期待できます。
・税制改正の実務解説:税制改正が行われるたびに、経営者や個人事業主は「自分のビジネスにどう影響するか」を知りたがっています。法令文書を読み解いて実務目線で解説した記事は、税務関連ブログや経営情報メディアから参照されやすくなります。
・チェックリスト・テンプレート類:決算前の確認事項、年末調整の準備手順、法人設立時の税務届出リストなど、ダウンロードして実際に使えるコンテンツは、ビジネス系サイトが「参考になるリンク」として紹介してくれる確率が高まります。有益な資料として他サイトから紹介され、被リンクを獲得しやすくなります。

E-E-A-Tを意識した「専門家らしさ」の見せ方

近年Googleは、ウェブサイトの有益性をE-E-A-T(経験・専門性・権威性・信頼性)から評価する傾向にあります。被リンクは、E-E-A-T評価を担保するシグナルの一つであり、そのため被リンクの獲得は、Googleからの高評価に寄与し、上位表示に繋がる可能性があります。

E-E-A-Tとは、Googleがサイトの質を評価する際に用いる基準で、「経験(Experience)・専門性(Expertise)・権威性(Authoritativeness)・信頼性(Trustworthiness)」の頭文字を取ったものです。この観点から言えば、税理士先生には最初から強力な武器があります。国家資格と実務経験という、他のブロガーには持てない権威性です。

ただし、その権威性をコンテンツ上で可視化できていない事務所がほとんどです。記事に著者情報を明記すること、プロフィールページに資格・経歴・専門分野を詳しく書くこと、実際に対応した事例(匿名で構いません)を記事に盛り込むこと——これらは被リンクを呼び込む土台になります。信頼性や権威性を高める意味でも、著者情報を記することが大切です。コラムを作成するなら、ページ上部に監修者として著者情報を記載しましょう。

実際にご相談いただいた事例では、先生が書いた記事に著者情報と顔写真を追加しただけで、他の士業事務所や地域の商工会議所のサイトから自然にリンクが貼られ始めたケースがあります。「誰が書いているか」は、リンクする側にとっても重要な判断材料なのです。

税理士先生だからこそ使えるリンク獲得の経路

コンテンツの質を高める一方で、戦略的にリンク獲得の経路を広げることも重要です。
日本税理士会連合会や所属単位会からの被リンクがないと、検索エンジンは「この人、本当に税理士なの?」という疑いを完全には拭えません。まずは公式の所属団体へのURL登録を確認しましょう。これは被リンクの出発点です。

次に考えたいのが、業務上の関係者との連携です。顧問先企業のサイトに「顧問税理士」として被リンクを貼ってもらうことは、最も自然で価値の高い推薦状となります。顧問先様に一言お声がけするだけで実現できる、非常に実効性の高い施策です。

また、外部メディアへ記事を書く、外部メディアの記事を監修する、ウェビナーなどに登壇するなど、積極的に露出することにより、事務所名の認知を広げるだけでなく、ドメインの被リンク数増加にも寄与します。クラウド会計ソフト関連のメディアや、経営情報系のウェブマガジンでは税理士の監修記事を常に求めています。先生の専門知識を活かせる場が、想像以上に多く存在しています。

被リンクの状況をどう確認するか

コンテンツを充実させたら、実際に被リンクが増えているかどうかを確認する習慣をつけることをおすすめします。

無料で使えるツールとして最初に手をつけるべきは、Google Search Console(グーグルサーチコンソール)です。Google の提供する無料の管理ツールで、どのサイトから自分のホームページにリンクが貼られているかを一覧で確認できます。月に一度ログインして、リンク元のサイト数がどう推移しているかを眺めるだけで十分です。

重要なのは、同じサイトから何本リンクが貼られているかよりも、何社のサイトからリンクされているかという点です。1つのサイトから10本のリンクを貰うのと、10個のサイトから1本ずつリンクを貰うのではリンク数は同じ10本ですが、後者のほうがSEO効果は高くなります。多様なサイトから少しずつリンクが集まっている状態が、Googleから見て最も自然なシグナルになります。

まとめ:今日から始める被リンク獲得の第一歩

この記事で伝えたかったことを整理します。

・被リンクは「依頼して集めるもの」より「読まれて自然につくもの」を目指すべきであること
・一次情報(独自データ・実務解説)、実用資料(チェックリスト)、専門家としての著者情報が被リンクを呼ぶ三本柱であること
・日本税理士会連合会への登録・顧問先への掲載依頼・外部メディアへの寄稿という経路は、税理士先生だからこそ使いやすい施策であること

すぐに取り組めるアクションとして、まず一つだけお願いします。Google Search Console にログインして、現在の被リンク数を確認してください。数が少なければ、そこが出発点です。次に書くコラムのテーマを「読んだ人が誰かに教えたくなる内容」に設定してみてください。そこから、被リンクという評価は少しずつ動き始めます。

よくある質問(FAQ)

Q1. 被リンクを増やすために業者からリンクを購入しても大丈夫ですか?

絶対に避けてください。Googleのガイドラインに違反するため、大量の被リンクを購入するようなことは絶対にしないでください。ペナルティを受け、順位が大幅に下落するリスクがあります。短期的に順位が上がるように見えても、アルゴリズムの更新で一気に圏外になるケースが後を絶ちません。地道なコンテンツ制作のほうが、長期的に見てはるかに安全で効果的です。

Q2. コンテンツを書いてもなかなか被リンクが集まりません。どれくらい待てばよいですか?

SEOの効果が現れるまでには、一般的に3〜6ヶ月程度かかります。ただし、コンテンツの質や更新頻度、被リンクの獲得状況によって期間は前後します。被リンクは記事を書いた翌日に増えるものではありません。まず10〜20本の質の高い記事を蓄積し、それを外部メディアへの寄稿やSNSでの発信と組み合わせることで、徐々に認知が広がっていきます。焦らず継続することが最大の戦略です。

Q3. 士業同士での相互リンクはSEOに効果がありますか?

関連性があれば有効です。弁護士や司法書士など、連携している他士業のサイトと被リンクし合うことは、現実の専門家ネットワークをそのままWeb上に反映させる行為です。ただし、内容の関連性が薄いサイトとの相互リンクは効果が薄く、場合によってはマイナス評価につながることもあります。実際に業務上連携している士業先生との自然な相互紹介にとどめることをおすすめします。
【著者プロフィール】太田亮児(おおたりょうじ)|合資会社オオタキカク 代表
税理士・会計事務所の営業、マーケティング支援を行う。起業前は東京都内にある税理士法人に勤務してマーケティング業務を専任で手掛けた。2005年にオオタキカクを設立して独立。税理士事務所の個性を活かし各事務所の強みを磨き上げオーダーメイド式でマーケティングの仕組みを作り上げるサポートを行う。2010年に「税理士・会計事務所の儲かるしかけ」を同文館出版より出版し、税理士業界に特化したサービスを展開している。税理士向けの専門紙である税理士新聞(NP通信社発行)への連載記事を手掛けていたこともある。