ホームページはある。でも問い合わせは来ない。先生の事務所で、そのような状況が続いていませんか。実は、ホームページが「機能していない」のではなく、「何が起きているか把握できていない」だけのケースが非常に多いのです。その把握に欠かせない無料ツールが、Google Search Console(グーグルサーチコンソール)です。
Google Search Consoleとは何か
Google Search Consoleとは、Googleが無料で提供しているウェブサイト分析ツールです。先生のホームページが「Googleの検索結果にどのように表示されているか」「どのキーワードで見つけられているか」「何回クリックされているか」といったデータを、Googleが直接提供してくれます。
費用はかかりません。Googleアカウントと、ホームページのURLがあれば登録できます。にもかかわらず、私がご相談をいただく税理士事務所の中には、ツール自体は登録済みでも、ほとんど画面を開いたことがない、という先生も少なくありません。
2026年4月末現在の税理士登録者数は82,315人(日本税理士会連合会)にのぼります。ホームページを持つ事務所が増え続けている中で、検索結果での「見え方」を把握していない事務所と、データを見て改善し続けている事務所とでは、集客力に大きな差が生まれていきます。
最初に確認すべき「検索パフォーマンス」の4指標
Google Search Consoleにログインすると、左メニューに「検索パフォーマンス」という項目があります。ここに、先生のホームページに関する重要なデータがすべて詰まっています。
このレポートでは、クリック数・インプレッション数(表示回数)・CTR(クリック率)・平均掲載順位の4つの指標を確認することができます。
それぞれの意味を、税理士事務所の文脈に置き換えて整理しましょう。
・クリック数:検索結果から先生のホームページに実際に訪れた人数
・表示回数(インプレッション数):検索結果に先生のサイトが表示された回数
・CTR(クリック率):表示された回数のうち、クリックされた割合
・平均掲載順位:検索結果で何位に表示されているかの平均値
この4つの数字の「組み合わせ」を読むことが、改善の出発点になります。
「表示されているのにクリックされない」問題の見つけ方
税理士事務所のホームページで最も多くみられるのが、「表示回数は多いのに、クリック数が少ない」という状態です。これは、Googleの検索結果に先生の事務所が出てはいるものの、相談者様に選んでもらえていないことを意味します。
Google Search Consoleでインプレッション数が多いにもかかわらずクリック率(CTR)が低いページは、検索には表示されているが選ばれていない状態です。
検索結果の1ページ目のCTRは高く、それ以降は1%以下になる傾向があります。検索順位が高いにもかかわらずCTRが低い場合は、タイトルタグやディスクリプションタグを見直してみましょう。
ここで一つ具体的な確認方法をお伝えします。検索パフォーマンス画面で「クエリ」タブを開き、表示回数の多い順に並べ替えてみてください。そのリストの中から、「順位は10位以内なのにCTRが低いキーワード」を探すことが、改善の最初のアクションになります。
たとえば「〇〇市 税理士 相続」というキーワードで平均8位に表示されているページのCTRが1%未満であれば、そのページのタイトルや説明文(メタディスクリプション)が相談者様の心に刺さっていない可能性が高いといえます。
「順位11〜20位」のキーワードが宝の山である理由
リライト(記事の改善)の優先順位は、①10〜20位あたりにある記事(少しの改善で1ページ目に上がりやすい)、②6〜10位あたりの記事(コンテンツの拡充と内部リンク強化で3〜5位を狙える)の順です。新規記事を量産するより既存コンテンツの質を高める方が、短期間でSEO成果が出やすい施策です。
この考え方は、税理士事務所のホームページ運用にそのまま当てはまります。私が実際にご相談いただいた事務所では、「相続税 申告 〇〇市」というキーワードで13位前後に表示されていたページを見直した結果、数か月で検索1ページ目に入り、そこから問い合わせが月に2〜3件増えたという事例もあります。
Google Search Consoleの検索パフォーマンス画面で「平均掲載順位」を11〜20の範囲でフィルタリングすると、このような「伸びしろのあるページ」が一覧で確認できます。見落とされがちな機能ですが、先生の事務所にとっては非常に実用的なアプローチです。
インデックス状況の確認も怠らない
Google Search Consoleには「検索パフォーマンス」以外にも重要な機能があります。「ページ」レポート(旧称:カバレッジレポート)では、先生のホームページの各ページがGoogleにきちんと認識されているかを確認できます。
「インデックス登録済み」の状態でなければ、どれだけ良いページを作っても検索結果に表示されません。「インデックス未登録」と表示されているページがある場合、その原因を確認することが必要です。ページの内容が薄すぎる、他のページと内容が重複している、サイトの設定でGoogleに見せないよう指定してしまっているなど、さまざまな原因が考えられます。
Google Search Consoleなどの分析ツールを活用し、どのキーワードで流入しているか、どのページが成果を上げているかを把握することが不可欠です。
インデックス状況は、ページを追加したときや、ホームページをリニューアルした後に必ず確認する習慣をつけることをお勧めします。
まとめ:今日から始める3つのアクション
Google Search Consoleを活用するうえで、最初に取り組んでいただきたいことをまとめます。
・「検索パフォーマンス」を開き、表示回数の多いキーワードのCTRを確認する
・掲載順位が11〜20位のページをリストアップし、タイトルと本文の改善候補を見つける
・「ページ」レポートでインデックス未登録のページがないかチェックする
Google Search Consoleは、先生の事務所のホームページが「今、検索の世界でどう見られているか」を映し出す鏡です。数字そのものが目的ではなく、数字を見て「何を直すか」を考えることに価値があります。月に一度、30分だけこのツールを開く習慣が、半年後・1年後の問い合わせ数に確実につながっていきます。
よくある質問(FAQ)
Q. Google Search Consoleの登録は難しいですか?
Googleアカウントをお持ちであれば、ホームページのURLを入力し、所有権の確認をするだけで登録できます。WordPressをお使いの場合は、プラグインを使って比較的簡単に設定できます。無料で利用でき、登録後すぐにデータが蓄積され始めます。
Q. データが少なくて参考にならないのですが、どうすればよいですか?
Search Consoleは登録直後はデータが少ない状態です。最低でも1〜3か月分のデータが蓄積されてから本格的な分析をするのが効果的です。まず登録だけ済ませ、データが溜まるのを待ちながら、ページの内容を少しずつ充実させていきましょう。
Q. 検索パフォーマンスは毎日見なければいけませんか?
毎日確認する必要はありません。月に1回、前月と比べてクリック数や表示回数に大きな変化がないかを確認するだけで十分です。大きな変化があったときだけ、原因を掘り下げる習慣が現実的に続けやすいアプローチです。
【著者プロフィール】太田亮児(おおたりょうじ)|合資会社オオタキカク 代表
税理士・会計事務所の営業、マーケティング支援を行う。起業前は東京都内にある税理士法人に勤務してマーケティング業務を専任で手掛けた。2005年にオオタキカクを設立して独立。税理士事務所の個性を活かし各事務所の強みを磨き上げオーダーメイド式でマーケティングの仕組みを作り上げるサポートを行う。2010年に「税理士・会計事務所の儲かるしかけ」を同文館出版より出版し、税理士業界に特化したサービスを展開している。税理士向けの専門紙である税理士新聞(NP通信社発行)への連載記事を手掛けていたこともある。