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問い合わせが増えるホームページの「導線設計」入門|士業のための基本

「ホームページはあるのに、問い合わせが全然来ないそんなお悩みの正体は、デザインでも文章でもなく導線設計にあることが多くあります。導線とは、訪問者が問い合わせまでたどり着くための道筋のこと。今日はこの仕組みを、できるだけやさしくお話しします。

そもそも「導線設計」って何のこと?

導線設計という言葉、なんとなくWeb業界っぽくてとっつきにくいですよね。でも中身はシンプルで、要するに「訪問者を迷わせずにゴールまで案内する仕組みづくり」のことです。 たとえば先生がはじめて入った大型ショッピングモールで、トイレを探していると想像してみてください。案内表示がなかったら、不安になりますよね。ホームページもまったく同じで、訪問者は「相続のことを相談したいけど、どこを押せばいいんだろう?」と迷子になっています。
総務省の令和6年度「情報通信白書」によると、個人のインターネット利用率は84.9%に達しています。顧問先様の多くは、まずネットで先生のことを調べてから問い合わせるかどうかを判断しているわけです。 つまり、サイトに来てくれた人を逃さない仕組みづくりこそが、新規顧客獲得の第一歩なんです。

なぜ問い合わせが増えないのか?よくある3つの落とし穴

私がこれまで税理士先生のホームページを拝見してきた中で、問い合わせが伸び悩むサイトには共通点があります。
ひとつめは「電話番号や問い合わせフォームが見つけにくい」というパターン。トップページの一番下にしかボタンがない、というケースは本当によくあります。訪問者は「お、いいかも」と思った瞬間に問い合わせたいんですよね。その熱が冷めないうちにアクションできる場所にボタンがないと、サッとブラウザを閉じてしまいます。
ふたつめは「サービスの説明が長すぎて読み疲れする」パターン。専門性を伝えたい気持ちはとてもよく分かるのですが、訪問者は最初から熟読する気はありません。流し読みしながら「ここなら相談できそうだな」という空気感を探っているのです。
みっつめは「次にどうすればいいかが書かれていない」パターン。ページの最後を読み終えたあと、「で、私は何をすればいいの?」と思わせてしまうサイトは、せっかくの興味を取りこぼしてしまいます。

問い合わせを増やす導線の基本ルール

ここからが本題です。ややこしい理論は抜きにして、今日から見直せるポイントだけお話ししますね。

ゴールから逆算して考える

導線設計のコツは、「ゴール(=問い合わせ)から逆算する」ことに尽きます。訪問者がどんな順番でページを見て、どこで決断するのか。この流れを先生自身が頭の中でシミュレーションしてみるのが一番です。
たとえば「相続税の申告を頼みたい人」がゴールだとしたら、その人は最初にトップページに来るかもしれませんし、ブログ記事から入ってくるかもしれません。どちらのルートでも問い合わせまでたどり着けるよう、各ページに「次の一歩」を用意しておくイメージです。

「3クリックルール」を意識する

これはWeb業界で昔からよく言われる目安なのですが、訪問者がほしい情報にたどり着くまで3クリック以内に収める、という考え方です。
たとえばトップページを開いた人が「料金を知りたい」と思ったとき、メニューを1回押して、料金ページを1回押して、表が出てくる、これでちょうど3クリック以内。これくらいの軽さを目指すと、ストレスなく回遊してもらえます。

CTAボタンは複数置いていい

CTAというのは「Call To Action(行動を促すボタン)」の略で、要するに「お問い合わせはこちら」「無料相談はこちら」といった誘導ボタンのことを指すことが多いです。 これ、1ページに1つだけ置いて遠慮している先生が多いのですが、もっと積極的でOK。ページの上部、中盤、最下部の3カ所くらいに自然に配置するのが基本です。スマホで読まれることを考えると、スクロールの途中で何度も目に入る方が親切なんですよね。

実際にどんな順番で並べればいい?トップページの黄金パターン

「で、結局どう作ればいいの?」という声が聞こえてきそうなので、トップページの基本的な並び順を紹介します。これは私が税理士先生にいつもおすすめしている型です。 上から順に、まずキャッチコピーで「誰のための事務所か」を一言で伝える。
次に、先生の顔写真と簡単な自己紹介を入れる。そのあとサービスメニューを3〜4つに絞って提示し、料金の目安、お客様の声、よくあるご質問、最後に問い合わせフォームという流れです。 ここでひとつコツがあって、お客様の声はサービス紹介の直後に置く流れです。「このサービスを受けた人がどう感じたか」がすぐに分かると、安心感がぐっと高まります。 写真や顔が見えると問い合せのハードルが下がる、というのは本当によくある話で、特に相続や開業支援のように「人柄で選ばれる」分野では効果が大きいです。

スマホ最適化を後回しにしない

これ、地味だけど超重要なので最後にお伝えしておきます。 総務省の同じ調査では、スマートフォンでインターネットを利用する人の割合は他の機器を上回り、メインの閲覧端末になっています(総務省「令和5年版情報通信白書」2023年)。にもかかわらず、士業のホームページはまだまだPC向けに最適化されたままのものが多いんです。 スマホで自分のサイトを開いて、文字が小さすぎないか、ボタンが押しづらくないか、電話番号をタップしたらそのまま発信できるか。このあたりをチェックするだけでも、問い合わせ率は変わってきます。 私がご相談いただいた中には、電話番号をタップで発信できるように設定し直しただけで、問い合せが増えたという事務所もあります。本当にちょっとしたことで、変わったりもするのですね。

まとめ:今日からできる導線改善のチェックリスト

長くなったので、今日のポイントをまとめます。

・訪問者の動線をゴールから逆算して考える
・お問い合わせボタン(CTA)はページ内の上中下に複数配置する
・スマホで自分のサイトを開いて使いにくい点を洗い出す
・トップページは「誰のための事務所か」を最初に見せる
・電話番号はタップで発信できる設定にする

すぐに全部やらなくて大丈夫です。まずは先生のスマホで自社サイトを開いて、訪問者の気持ちで触ってみてください。そこに改善のヒントが必ずあります。

よくある質問(FAQ)

Q1. 導線設計を見直すのに、ホームページを丸ごと作り直す必要がありますか?

いえ、その必要はありません。多くの場合、ボタンの配置を変える、文章の順番を入れ替える、スマホ表示を調整する、といった部分的な改善だけで問い合わせ数は大きく変わります。まずは小さな改善から試してみるのがおすすめです。

Q2. CTAボタンの色や文言はどうすればいいですか?

色は背景から目立つものを選ぶのが基本で、士業の場合は信頼感のある青や緑がよく使われます。文言は「お問い合わせはこちら」よりも「無料相談を予約する」「30秒で簡単お問い合せ」のように、行動の負担が軽く感じられる言葉にすると反応がよくなります。

Q3. 効果があったかどうかは、どう測ればいいですか?

Google Search ConsoleとGoogleアナリティクスという無料ツールを使えば、どのページがよく見られているか、問い合わせフォームまでたどり着いた人がどのくらいいるかが分かります。最初は難しく感じるかもしれませんが、数字で変化が見えると改善が楽しくなりますよ。
【著者プロフィール】太田亮児(おおたりょうじ)|合資会社オオタキカク 代表
税理士・会計事務所の営業、マーケティング支援を行う。起業前は東京都内にある税理士法人に勤務してマーケティング業務を専任で手掛けた。2005年にオオタキカクを設立して独立。税理士事務所の個性を活かし各事務所の強みを磨き上げオーダーメイド式でマーケティングの仕組みを作り上げるサポートを行う。2010年に「税理士・会計事務所の儲かるしかけ」を同文館出版より出版し、税理士業界に特化したサービスを展開している。税理士向けの専門紙である税理士新聞(NP通信社発行)への連載記事を手掛けていたこともある。