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ネガティブな口コミが来た!税理士事務所がとるべき対処法とは?

「Googleに悪い口コミが書かれてしまった……どうしよう」
そんな経験、先生の事務所ではありませんか?ネガティブな口コミへの対応は、放置するのが最も危険です。一方で、正しく返信するだけで信頼を回復どころか新規のお客様獲得にさえつながります。今回は、税理士・士業事務所がネガティブな口コミを受けたときの具体的な対処法を、一緒に整理していきましょう。

口コミは「見られている」どころか「判断の材料」になっている

まず前提として、口コミがどれほど重要かを確認しておきます。
LeveL.Lが実施した調査(2025年)によると、商品購入時や店舗を探すときに約94%の人が口コミを参考にしており、悪い口コミを見たときに企業の返信対応を確認する割合は約67%にのぼります。さらに、「候補を探すとき(最初の段階)」に口コミをチェックする人が52.0%で最多となっており、悪い口コミがある場合は検討の対象にすら入らない可能性が高いとも指摘されています。

税理士事務所の口コミ事情はどうでしょうか。税理士という職種上、他の業種と比べて口コミ数が少ないのが事実です。ただ口コミ数は少なくても、その内容によっては問い合わせ時の意思決定に大きく影響します。だからこそ、数少ない口コミのひとつがネガティブな内容だと、その影響は相対的に大きくなりやすいのです。

悪い口コミが来たとき、まず深呼吸してほしい理由

ネガティブな口コミを目にしたとき、「すぐ反論しなければ」「消せないか」と焦るのは自然な反応です。ですが、ここで慌てて感情的な返信をするのがいちばんの悪手です。

感情的にならず、24時間以内に丁寧な返信を行うことが基本です。問題の原因を認め、改善策を示すことで、閲覧者に誠実な印象を与えられます。返信はその口コミを書いた本人だけが読むものではありません。返信内容は口コミを書いた本人だけでなく、他の何人ものユーザーにも見られています。高評価にだけ返信して低評価を放置すると「都合の悪い声を無視している」という印象を与えてしまいます。

税理士事務所の場合、ホームページ経由で事務所を検討している相談者様が口コミページを確認する場面を想像してみてください。返信の一言一句が、その方の「この事務所に相談してみようかな」という気持ちを左右するのです。

ネガティブ口コミを3パターンに分けて考える

口コミへの対応に悩む理由のひとつは、「内容によって対処法が違う」からです。私がご相談いただいた事例でも、混乱しているケースのほとんどは、この3パターンの区別ができていないことが原因でした。

パターン1は「事実に基づくネガティブな意見」です。例えば「レスポンスが遅かった」「説明がわかりにくかった」といった内容。これは正直に向き合うべきケースです。謝罪と改善の意思を伝えつつ、具体的にどう対応しているかを書くことが、読んでいる第三者への誠実なアピールになります。

パターン2は「誤解や事実と異なる内容」です。こちらは事実関係を穏やかに補足することが有効です。ただし、「それは違います!」と反論調にならないよう注意が必要です。あくまで「別の視点からご説明すると……」というスタンスで。

パターン3は「明らかな嫌がらせや虚偽の投稿」です。明らかな虚偽や嫌がらせについては、Googleのポリシー違反項目(虚偽のコンテンツ・なりすまし・スパム等)を選択して削除申請を行うことができます。審査は通常数日〜2週間程度で結果が通知されます。ただし注意したいのは、事実に基づいた口コミは削除できないため、心当たりのあるネガティブ口コミに対しては、誠実な返信で印象を挽回することが最善策です。

「返信の内容しだい」で来店意欲が変わるという事実

ここで少し驚くデータをご紹介します。
株式会社ONE COMPATHが8,576名を対象に行った調査によれば、ネガティブな口コミであっても「内容に即した個別の返信」があれば、65.4%の人が「お店に行ってみようと思う」と回答しています。

つまり、悪い口コミそのものよりも、「それに対してどう返信しているか」のほうが、次のお客様の行動に影響するのです。定型文のコピペ返信ではなく、その口コミの内容にきちんと向き合った返信こそが価値を持ちます。

Google自身も公式ガイドラインで「Value all reviews(全てのレビューを尊重する)」という方針を示しており、肯定的なレビューと否定的なレビューの組み合わせをより信頼できると評価しています。つまり、ネガティブな口コミゼロを目指すよりも、ネガティブな口コミへの対応力を磨くほうが、長期的には信頼につながるのです。

返信文の「型」を持っておくと気持ちが楽になる

実際にどう書けばよいか、頭の中に型を持っておくだけで、いざというときのパニックが防げます。

①口コミへのお礼または来訪・ご連絡への感謝
②不快な思いをさせてしまったことへのお詫び(事実の場合)
③具体的な状況の確認・事実の説明(誤解の場合)
④今後の改善策や対応方針
⑤直接ご連絡いただける窓口の案内(必要に応じて)

この流れを意識するだけで、読んだ相談者様に「この事務所はちゃんと向き合ってくれるな」という安心感を与えることができます。Googleビジネスプロフィールのヘルプでは、口コミへの返信が顧客との信頼関係の構築につながると言及しており、適切な返信を続けることでGoogleからの評価が上がりやすくなるとも言われています。集客とSEO(検索エンジンでの表示順位)の両面で効果があるわけです。

まとめ

ネガティブな口コミは、確かに怖いものです。でも「無視する」「感情的に返す」「消そうとする」の3つは、どれも逆効果になりえます。
今日から意識してほしいポイントをまとめます。

・口コミが届いたら24時間以内を目安に返信する
・内容を3パターンに分類し、それぞれに合った対応をとる
・返信はテンプレートに頼らず、その内容に向き合ったものを書く
・明らかな虚偽・嫌がらせはGoogleへの削除申請を検討する

まず今日できることとして、先生の事務所のGoogleビジネスプロフィールを開いて、過去の口コミへの返信状況を確認してみてください。未返信の口コミがある場合は、それへの丁寧な返信からスタートです。小さな積み重ねが、ホームページからの問い合わせ増加につながっていきます。

よくある質問(FAQ)

Q1. ネガティブな口コミは削除できますか?

事実に基づいた内容であれば削除は難しいです。ただし、明らかな虚偽・嫌がらせ・スパムに該当する場合は、Googleビジネスプロフィールの管理画面からポリシー違反として削除申請を行うことができます。削除申請中であっても、口コミへの丁寧な返信は必ず行いましょう。

Q2. 返信するとかえって炎上しませんか?

感情的・反論的な返信は炎上リスクがあります。一方で、誠実・穏やかに状況を説明し改善の意思を示す返信は、むしろ信頼を高めます。返信前に一晩おいて冷静に読み直す習慣をつけると安心です。

Q3. 税理士事務所はそもそも口コミを集めるべきですか?

はい、積極的に集める価値があります。口コミの数と質はGoogleマップでの表示順位にも影響します。顧問先様にご満足いただけた際に「もしよければGoogleの口コミをいただけると励みになります」と自然にお声がけするところから始めてみましょう。
【著者プロフィール】太田亮児(おおたりょうじ)|合資会社オオタキカク 代表
税理士・会計事務所の営業、マーケティング支援を行う。起業前は東京都内にある税理士法人に勤務してマーケティング業務を専任で手掛けた。2005年にオオタキカクを設立して独立。税理士事務所の個性を活かし各事務所の強みを磨き上げオーダーメイド式でマーケティングの仕組みを作り上げるサポートを行う。2010年に「税理士・会計事務所の儲かるしかけ」を同文館出版より出版し、税理士業界に特化したサービスを展開している。税理士向けの専門紙である税理士新聞(NP通信社発行)への連載記事を手掛けていたこともある。